タンパク質の表面電荷により細胞膜への再結合頻度が変わる

PTENは、細胞質と細胞膜を行き来するタンパク分子で、細胞膜上のPIP3を脱リン酸化する働きがあります。PTENはガン抑制遺伝子として知られており、細胞膜上でのPIP3脱リン酸化がうまく機能しないと細胞がガン化することが知られています。PTENに変異が入り、細胞膜へPTENいかなくなることでも、ガン化が生じるため、PTENの膜結合のメカニズム解明はガン研究において重要とされています。

本研究では、1分子イメージングという技術を用いて、様々なPTEN変異体を生きた細胞内で見ることで、PTEN膜結合の仕組みを研究しました。その結果、PTENのC2ドメインという正電荷アミノ酸がたまっている領域の正電荷を下げると、細胞膜への結合能力が徐々に低下することがわかりました。また、電荷がほどよい状態になると、1分子が膜からはずれた後に再び膜に戻ってくる確率が高くなることを、新しい解析法を通じて証明しました。本研究により、PTENの膜への再結合における新規メカニズムの一端に迫ることができました。

M Yasui, S Matsuoka, M Ueda. “PTEN Hopping on the Cell Membrane Is Regulated via a Positively-Charged C2 Domain” PLoS Comp Biol, 2014